よくある質問

2016.06.08更新

【はじめに】

 交通事故において受傷し、休業を余儀なくされた場合、損害としての休業損害が発生します。

 被害者が給与所得者である場合、会社を休み、その分の給与が支払われなかったということで、休業損害の算定は容易となります。

 それに対し、事業所得者の場合、毎月給料が支払われているわけではありませんので、休業損害に基礎となる金額をどのように算定するか、また、どのような立証資料が求められるのかが問題となります。

 

【基礎収入額の算定方法について】

 休業損害の基礎となる金額については、事故前年における確定申告書記載の所得額によって認定されます。青色申告控除がなされている場合には控除前の金額を基礎とします。

 休業損害算定にあたっての基礎収入額について、被害者からは、確定申告を上回る収入があったとの主張がなされることがあります。もちろん、現実の所得(収入)が立証されれば、それが基礎となりますが、裁判所に対しては厳格な立証が求められます。裁判所も国家機関ですから、同じ国家機関である税務署に申告した金額と異なる金額をそう簡単に認めてくれることはありません。

 また、交通事故の場合、事故後、すでに確定申告の期間が経過しているにもかかわらず、確定申告をする、修正申告をする被害者が見受けられますが、当然にその金額が認められるわけではありません。

 

 そして、休業中に固定費を支出した場合には、事業の維持・存続のために必要なものについては損害として認められます。固定費のうち、地代家賃、諸会費、租税公課、損害保険料、減価償却費、リース料といったものは通常認められます。

 

【基礎収入額の立証方法について】

 事業所得者の場合、確定申告書の控えを提出することが求められます。これは基礎となる金額が申告所得である以上当然のことと言えます。確定申告書の控えに受付印がないような場合には、その裏付け資料として、納税証明書、課税証明書の提出が求められることがあります。

 休業損害を請求する事業所得者が確定申告をしていないことも多くあります。この場合、厳格な立証が求められることは前項でご説明したとおりです。

 

 

 

 

 

 

投稿者: 大西法律事務所

2016.05.07更新

 このような交通事故を起こしてしまった、交通事故に遭ってしまったが、過失割合はどのくらいなのかという質問を受けることがよくあります。


 
 交通事故において、相手方に請求できるのは、事故に生じた損害のうち、相手方の過失割合分になりますし、反対に請求されるのは、相手方の損害のうち、事故の過失割合分ということになります(自賠責保険からは、重過失減額がない限り120万円まで支払われますので、損害額によっては過失相殺をすることはなくなります。)。

 

 一般に、交通事故における過失割合は、東京地裁民事交通訴訟研究会編「別冊判例タイムズ38 民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準 全訂5版」に338とおりの事故における過失割合がまとめられており、実務上はこの本に従って過失相殺が決まっていきます。この他にも、いわゆる「赤い本」(日弁連交通事故相談センター東京支部がまとめた民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準)にも過失相殺がまとめられていますが、判例タイムズを使用することが多いと思います。
 もちろん、当事者や裁判所がこの本に拘束されるわけではありませんが、判決になった場合、判例タイムズ記載の過失割合から大きく外れることはまずありません。

 

 過失割合について聞かれた場合、基本的には判例タイムズではこうなっています、との説明することが多いのですが、納得していただけないことがあります。
 例えば、信号機のない交差点における交通事故で、一方が優先道路である場合、優先道路を走行していた車両にも10%の過失があるとされています。これは、優先道路を走行している車両にも、道路交通法36条4項(①)の注意義務は要求されていることを前提にしたものですが、なかなかご納得いただけないのが現状です。


 
 交通事故において、車両に過失がないというのは、車両同士の事故で相手方が信号無視、停車中の追突事故などに限定されており、走行中の事故であれば、一定の過失があるとされるのが賠償実務となります。

 

 もちろん、これらの書籍には記載されていないような事故も多くあります。このような事故の場合には、近い類型の事故を探し、そこから修正していく方法が一般的だと思います。

 

 

①道路交通法36条4項
 車両等は、交差点に入ろうとし、及び交差点内を通行するときは、当該交差点の状況に応じ、交差道路を通行する車両等、反対方向から進行してきて右折する車両等及び当該交差点又はその直近で道路を横断する歩行者に特に注意し、かつ、できる限り安全な速度と方法で進行しなければならない。

投稿者: 大西法律事務所

2016.04.18更新

 相続が発生し、相続人が複数いる場合、相続人は、誰がどの財産を相続するかについて遺産分割協議を行う必要があります。

 遺産分割協議を行うことについて、相続人全員が積極的で把握している相続財産を互いに開示するような場合は、比較的容易に協議を行うことができます(もちろん、分割方法や寄与分、特別受益といった問題で協議が整わないことがあります。)。

 遺産分割協議について、ある相続人が相続財産の内容を明らかにしない、何が相続の対象になるのかがわからないといった質問がよくあります。

 例えば、被相続人とは数十年も離れて暮らしているため生活状況がわからない、一緒に暮らしていた相続人が相続財産の内容を明らかにしないといったものです。

 

 まず、問題になるのは、預金です。

 預金については、預金していると思われる金融機関に対しては、「全店照会」という方法で回答を求めます。全店照会とは、金融機関の本店に対して、預金の所在する支店名等の回答を求めるものです。

 もちろん、口座番号等がはっきりわかる預貯金口座については、取引履歴の回答を求めます。

 

 次に、不動産については、所在がはっきりわかるのであれば、法務局で登記を取ればよいことになりますが、ある程度地域は絞れるが、所在地がはっきりわからないということがあります。

 不動産の所有者であれば、固定資産税を支払っているはずです。固定資産税は、市町村税であることから、市町村役場、区役所で、固定資産の名寄帳を確認します。名寄帳には、特定の区域内においてある人物が所有している不動産の一覧表です。

 

 この他にも、生命保険、自動車、株式といった相続財産、あるいは負債があることもあります。


 
 相続財産の存在についてわからないといったお悩みがあるということであれば、お気軽にご相談いただければと思います。

投稿者: 大西法律事務所

2016.04.13更新

 最近、このホームページをご覧になった方から残業代、時間外手当についてのお問い合わせを受けることがよくあります。

 

 多くの場合、事務所にお越しいただき、雇用契約の内容、勤務時間をお聞きすることになるわけですが、相談者の方がうつ病で通院中であることがよくあります。

 

 業務による心理的負荷によって、精神疾患となった場合、それは労災ということになり、労災給付を受けられることが可能ですし、会社に対する損害賠償請求も可能になります。

 

 厚生労働省は精神障害の労災認定に係る認定基準を定めているところですが、その原因が超過勤務である場合、勤務時間がはっきりすれば、比較的認められやすいと思います。

 

 残業代、時間外手当については時効が2年である関係上、その請求額は制限されてしまいますが、労災が認められた場合にはその疾患の内容にもよるところですが、労災及び会社から得られる金員はかなり大きなものになります。

 

 労災の申請手続についても、ご相談、受任が可能ですので、まずはお気軽にお問合せいただければと思います。

投稿者: 大西法律事務所

2016.02.20更新

 2月18日にご紹介した解決事例では、交通事故で後遺障害等級が非該当から14級に変更された事例を紹介しました。

 これを見た方から、非該当の認定に納得がいかない、①異議申立てをしたいが認められるか、②異議申立て以外の方法はあるのかとのお問い合わせをいただきました。

 ①異議申立てが認められるかどうかは、認定結果や通院状況等を検討しなければ何とも言えないのですが(後日ご来所いただくことになりました。)、ここでは、②について、お答えします。

 自賠責に対する異議申立ても含め、後遺障害があると認定される(厳密に言えば、後遺障害を理由とした損害賠償金を得られる。)方法として考えられるものは以下のとおりです。

 

 1 自賠責に異議申立てを行う。
 2 自賠責保険・共済紛争処理機構に申立てを行う。
 3 訴訟で争う。

 

【自賠責に対する異議申立て】
 自賠責にが行った後遺障害等級認定に対して、異議申立てを行うというものです。
 非該当という認定に対してはもちろんですが、一定の等級認定に対して行うことも可能です。

【自賠責保険・共済紛争処理機構に対する申立て】
 一般財団法人自賠責保険・共済紛争処理機構は、自賠責保険から支払われる保険金についての紛争(ここでは、後遺障害等級が紛争の内容になります。)を解決するために国から指定を受けた紛争処理機関(ADR)です。


 http://www.jibai-adr.or.jp/enterprise_01.html

   
 ここでは、交通事故に関して専門的な知識をもつ弁護士・医師・学識経験者などで構成される紛争処理委員による調停が行われます。調停と言っても、実際に行われるのは書面審査です。この結論に保険会社は拘束されます。

 

【訴訟で争う】

 裁判(損害賠償請求訴訟)で自賠責の認定と異なる等級を主張することは可能です。
 裁判所が自賠責の判断に拘束されるわけではありませんし、自賠責と異なる判決や和解案の提示がされることも珍しいことではありません。
 ただ、被告側(加害者側)が自賠責の認定結果を争い、低い等級になってしまうこともあります。

 

投稿者: 大西法律事務所

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